爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳

扇沢〜爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜扇沢 2001/8/22-25

鹿島槍ヶ岳は登山を始める前から何度も眺める機会があり、いつもきれいな山だなと感じていた。特に大町の国道147号の跨線橋からの雄大な姿が印象に残っている。登山を始めてからこの山が鹿島槍ヶ岳という名前だということを知った。今年で登山を始めて11年目になるが何故か縁がなく今年まで登る機会が無かった。

8/21(火)

台風11号接近中。明日の朝から昼にかけて関東に最接近するとのこと。

8/22(水)

朝起きてみると台風はまだ静岡近辺とのこと。中央線は一部で運転見合わせ、あずさは全ての列車の運休が決定とのこと。急行アルプスが動くかを13時過ぎに新宿駅のお客様相談室に電話で問い合わせてみたが、まだ情報が入っていないということで運行指令に問い合わせて折り返し電話をくれた。急行アルプスが運行されるかはまだ決まっておらず、中央線が一部で運転見合わせしているので運行されない可能性が大きいとのこと。仕方ないので同行者のYと連絡を取って、日程を1日短縮して後ろにずらし、目的地を燕に変更することにした。駅のみどりの窓口で都区内〜信濃大町の切符を明日の都区内〜穂高の切符に変更した。

17時過ぎに台風は土浦近辺を通過中とのこと。そのわりに風も雨もたいしたことなく、常磐線はちゃんと動いていそう。中央線の不通区間も運行を再開したとのこと。再び新宿駅のお客様相談室に問い合わせると急行アルプスは運行されるとのこと。駅のみどりの窓口に行って、切符を今日の都区内〜信濃大町の切符に変更。

電車のダイヤが乱れている可能性を考えて、いつもより早く家を出た。南の空には火星が輝いている。

新宿駅はまだ工事中。先月はレールの上に蓋がしてあり、所々歯抜け状態でレールが見える状態だったが歯抜けだったところにも蓋がしてあった。急行アルプスは定刻通り出発。高尾を過ぎた時点で8割くらいの込み具合。

8/23(木)

信濃大町に定刻通りの5:08着。松本までに乗客の半分位が降り、信濃大町では白馬方面への乗り換え客が多く、信濃大町で降りる乗客は意外と少なかった。タクシーの相乗りで扇沢へ。

扇沢〜ケルン〜種池山荘

登山口からは昭文社の地図には急坂と書いてあるがやや急と言ったところ。

歩を進めていくとグングン高度が稼げた。ケルンからは地図に書いてあるとおり、種池山荘が見えた。結構、近く感じた。ケルンより少し登ってから下を振り返ると扇沢の駅やアルペンホテル扇沢の赤い屋根が見えた。この赤い屋根は登って行く間、しじゅう見えていた。登りの後半は尾根を巻いていく緩やかな道が種池山荘に伸びているように見えるが、意外とこの緩やかな道を歩いているうちに高度が上がっていった。

種池山荘〜爺ヶ岳南峰〜爺ヶ岳中峰

登り始めは雲がほとんどない状態だったが種池に着いて登ってきた方と反対側の山を見ると山の頂に雲がかかっていた。ちょっと眠かったので種池山荘の前のベンチで仮眠。種池は思ったより小さかった。池には山椒魚の幼生がたくさん浮かんでいた。またヤンマが産卵をしていた。池の脇の草に羽化した後のヤゴの抜け殻を見つけたのでこの池で繁殖しているようだ。

種池から少し歩くとチングルマの群生。時期が時期だけに実になっていたが、花の頃はさぞ見事なことだろう。今夜の宿の冷池山荘も見えていた。

爺ヶ岳に着いた時点で扇沢側から雲が上がってくる状態。爺ヶ岳南峰〜中峰の鞍部に少しコマクサが咲いていた。

爺ヶ岳中峰〜冷池乗越〜冷池山荘

冷池山荘は爺ヶ岳山頂から見た感じではすぐに着きそうだったが、そこそこ時間がかかった。冷池も思っていたほど大きくなかった。

冷池山荘の水は天水で1Lで200円。宿泊者は無料で1Lをわけてもらえる。消灯は20:15と少し早いが17時からの食事が終わるとすぐに寝てしまったので早くても遅くても関係無し。

コースタイム

8/24(金)

朝起きるとそこそこ天気は良かった。剣や立山も雲間から頂を覗かせている。が、東の空のちょうど日が昇る位置にはちょっと高い雲があり、日の出はイマイチ。

冷池山荘〜布引山〜鹿島槍ヶ岳南峰

小屋に荷物を置いて、鹿島槍ヶ岳南峰へ往復。小屋からちょっと行くとここにもチングルマの群生。種池山荘の先の所のよりは小さい群落ではあるが見事。

鹿島槍に近づくに従い雲が多くなっていった。

鹿島槍ヶ岳南峰〜冷池山荘

鹿島槍からの眺めは雲のためにイマイチ。雲が無かったらかなり見ごたえのある景色だろうと思われるだけに残念。この日はのんびりと鹿島槍の山頂で過ごした後に種池山荘までゆっくり歩いて、種池山荘で泊まる予定であったが翌日の天気があんまり良くなさそうなので、とりあえず下まで降りて、下で宿を見つけようということになった。小屋に戻り、水を必要なだけもらって出発。

冷池山荘〜冷乗越〜種池山荘

昭文社の地図には爺ヶ岳〜冷池間に雷鳥多しとあるが、ホシガラスをやたらと見かけた。登山道にハイマツの実がむしられた状態で落ちていたがこれはホシガラスの仕業らしい。

種池山荘〜ケルン〜扇沢

種池から下る頃にはすっかり曇りになってしまった。かなり下に降りるまでずっとガスの中を歩いた。途中、猿の群れを見かけた。

扇沢の駐車場が間近に見えるのであと30〜40分くらいで登山口に着きそうだと言いながら下っていたがそこからちょっと行った地点(ケルンの手前)でこけて足をひねってしまった。起き上がってみると左足がおかしく、力が入らない上にひねると痛い。まっすぐに足を下ろせば痛みも余りなく、一応歩けるのでそのままかなりのスローペースで下っていった。歩き始めは骨がキシキシといっているような感覚だったがやがてそれも無くなった。歩くに従い登山靴のパッドの上あたりが腫れてきた。この時点では筋を切ったか骨にひびが入っているのだろうと思っていた。

コースタイム

登山口に着くとタクシーが停まっており、バスと同じ料金で行ってくれるというのでタクシーに乗り、とりあえず病院に行ってもらった。

病院で診察してもらうとなんと腓骨が折れていた。先生には夏山期間中はほとんどが中高年だが同じようなケガをした人が結構いて、大抵はヘリで降りてきていたという話だった。ギプスで固めた上に松葉杖の状態になってしまった。

とりあえず、カメラなどの壊れ物、貴重品をトートバッグに入れ、タクシーに乗りコンビニへ。左足の登山靴をザックに詰めて、ザックを宅配で送付する手続きをして、ゴミ袋を買った。

大町に停まる予定で宿はまだ決めていないということを話していたのでコンビニに行っている間にタクシーの運転手さんが親切なことに宿を押さえておいてくれた。駅のすぐそばのビジネスホテルでそこに泊ることにした。

とりあえず、一休みしたあと風呂。このホテルは展望風呂があるということでYはそちらに行ったが、私はそっちに行けるはずもなく、ゴミ袋で足をガードしてから部屋のユニットバスで汗を流した。

夕立があり、外に食事に行くわけに行かず、ホテルの1Fにある食堂へ。私が頼んだ焼き肉定食は普通のものよりやや量が多いかなと行った感じであったが、Yが頼んだラーメンセットについてきたミニ焼き肉丼はミニではなく普通の丼の量であった。さすが信州。これならビジネスホテルに泊まるのも安くついていいかなと思ったが、後でYに聞いたらラーメンだけはあんまりおいしくなかったそうだ。お冷やの水がやたらとうまかった。

8/25(土)

9:31発の電車で松本へ。足に痛みはないため、行動がスローモーになることと足がギプスでちょっと重いのが一番の問題点。登山靴はちょっと歩きにくいし、トートバックは邪魔くさいのでICI石井スポーツに行ってスポーツサンダルとディパックを買うことにした。ICI石井スポーツがあった建物は工事中でなんと駅からさらに遠くの第一勧銀の前に仮店舗ができていた。かなりがっくり来たが仕方ないのでさらに歩いて、スポーツサンダルとワゴンセールのザックを買った。なんと駅から40分近くかかっていた。幸いな事に店の前がバス停だったので帰りはバスに乗って駅前まで。松本で市内のバスに乗ったのはこれが初めて。

駅前のローソンでビニールテープを買った。これはギプスをビニール袋で包んで固定するため。

駅のみどりの窓口で帰りの電車の指定席券を取り、駅ビルで昼食。

あずさ62号は定刻通り12:52に発車。八王子でYは下車。新宿駅で階段で苦労しつつ移動し、山手線へ。電車に乗ったら若い女性に席を譲られてしまった。上野からは上野始発の電車に乗り、無事に最寄り駅へ。駅からは自転車(スキー板を持って自転車に乗ることもあるので松葉杖を持って乗るくらいは朝飯前)にのり無事自宅にたどり着いた。

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