烏峠

嵐口港〜烏峠〜御所浦港 2023/1/4

1/4(水)

この日の目的地は御所浦島にあり、始発のフェリーに乗るために早めの出発。嵐口(あらくち)港へ行く最初のフェリーは御所浦.netだと7:45だが、直前になって始発の6:40のフェリーも嵐口港に行くことがわかったので始発に乗ることにした。始発に乗ればそれだけ行動時間に余裕が出来るし。

3:27に自宅発。外気温-1度。航続可能距離785km。

長部田海床路に照明が点灯していてきれいだった。

4:31に道の駅 宇土マリーナ着。走行距離8.1km、燃費24.7km/L、平均車速45km/h、走行時間1:04、EV走行距離18.2km(38%)、航続可能距離735km、外気温3度。高度13m。

車から降りたら足が薄ら寒かった。今回はCraghoppersの"Kiwi Winter Trousers"というライニング付のズボンを履いてきた。このズボンは冬用に1本持っていたが、昨年末にもう1本新調した。新調した方についていたタグに記載されていたwarmth ratingは1で適温は5〜15度と言うことらしい。古い方で雪のある鞍岳に登ったこともあるのでマイナス数度まで大丈夫だろうと思っていたのだが3度程度なのに薄ら寒さを感じた。鞍岳に登ったときは開始時点で0度だったけど寒かった記憶はないので歩けば寒くはなくなるのだろう。

4:41に道の駅 宇土マリーナ発。

島原の町明かりがきれいだったが、雲仙の上の方は雲がかかっていたらしく見えなかった。

5:03に道の駅 上天草さんぱーる着。走行距離65.9km、燃費25.1km/L、平均車速46km/h、走行時間1:26、EV走行距離26.1km(39%)、航続可能距離719km、外気温1度。高度9m。

家を出たときは空に雲があり雲間から星が見えているような状態だったが、雲がなくなりきれいに星が見えていた。三脚があれば撮影していたのだが。長部田海床路でも照明がきれいだったので三脚があったら撮れたか(先を急ぐから撮らなかっただろうけど)。三脚は車に積みっぱなしにしておいても良いかも。

5:11に道の駅 上天草さんぱーる発。

道の駅を出てから、ウィンドブレーカーを持ってくるのを忘れてきたに気付いた。失敗したなと思ったけど、いざとなったらザックの中に入れっぱなしになっているレインウェアの上を着ればなんとかなる。

倉岳総合グラウンドの横を通って棚底港へ。車を停めるのは倉岳総合グラウンドの駐車場でも良いかと思ったけど、棚底港の駐車場に向かった。グラウンドの駐車場はタダだけど、棚底港の駐車場は12時間100円と缶コーヒー1本より安い。

5:57に川棚港区駐車場着。走行距離98.0km、燃費24.8km/L、平均車速44km/h、走行時間2:21、EV走行距離42.6km(43%)、航続可能距離697km、外気温2度。高度8m。

靴を登山靴に履き替えて、靴紐を結んでいるときに6時になってチャイムがなった。フェリーの待合所に行ったけど、時間が時間だけにまだ開いていなかった。このあたりで何となくトイレに行きたくなってきた。待合所の隣のトイレもまだ開いていない。棚底港へ来る途中の棚底地区振興会広場の横を通ったときにここにあるトイレに寄っておけば良かった。その時はトイレはしばらく行かなくて大丈夫だと思ったし、フェリーの待合所にならトイレがあるだろうと油断したのがまずかった。貼り紙があって、トイレが開くのは6:30からで開いていない時間はグラウンドの駐車場の方のトイレを利用となっていた。仕方ないからグラウンドの駐車場まで歩いた。場所がわかっていたからすんなり行けたけど、暗かったから場所を知らなければ見つけるまでに時間がかかっただろう。

トイレから戻ってくると待合所が開いていた。トイレもすぐに開けていた。すぐに待合所に入ってフェリーのチケットを買った。久しぶりに車以外の交通手段を使う山行だが、嵐口港まで400円で、帰りは御所浦港からだがこれも400円。待合所には2人程舞っている人が居たが、1人が移動を始めたタイミングで自分も桟橋に向かって船内に入った。

船内で座っていると乗船券の回収があった。そのまま座っていると出港時間の少し前にエンジンの音のピッチが変化し、出港時間になったら何の合図もなく出港した。これは港についても何の案内もないなと思ったので、スマートフォンの地図で位置を確認することにした。スマートフォンは回線契約無しと有りの2台体制だが、最初に回線契約無しの方で地図ソフトを起動して、確認した。もう一台で確認しようとしたら、地図が真っ白。オフラインでも使えるように地図データを入れてあると思ったら、入れていなかった。だが、地図データの元になるデータは入れてあったので地図ソフトに読み込ませて、無事表示させた。

そんな事をしている間に空がオレンジ色に染まってきた。船も横浦島の与一ヶ浦港に入港した後に与一ヶ浦港から見て横浦島の反対側の横浦港に入港した。

船が棚底港を出港してからすぐに厚手フリースのジャケットから薄手フリースのプルオーバーに着替えてから船に乗ろうと思っていたのに忘れていたことに気付いた。厚手フリースだと登りですぐに暑くなるから薄手フリースの方が都合が良かったのだが。

横浦港の次は御所浦港に入港。棚底港出港時に数人、与一ヶ浦港、横浦港で増えた乗客の大半が御所浦港で降りていった。御所浦港から嵐口港までは3kmくらいで歩いても宵だが、せっかく嵐口港に行ける船に乗ったので嵐口港まで行くことにした。

嵐口港〜嵐口登山口〜烏峠

船に乗っている間に靴紐を締め直そうとしていたら、締め直す暇も無く、港に到着しそうになったのでざっと靴紐を結んだ。下船後に靴紐を結び直してから出発。

少し歩くと待合所みたいな場所があった。施錠してあるかと思ったら、入口の扉が開いたので中に入ってみたら、トイレがあったので利用させてもらった。外に出て建物を見ると嵐口漁民休憩所と書いてあった。フェリーの時刻表が貼ってあったから待合所だと思って使ったけど、まずかったかな。「魚釣りの皆様へ」と書かれた貼り紙もあったから釣り人はギリギリセーフだけど、登山者はアウト? でも御所浦.netにあった御所浦観光マップには嵐口港休憩所として載っているので多分OK。

上陸してすぐのところに嵐口登山口が400m先という標識があったし、最初にあった道の分岐にも直進するように標識があったので海沿いを進んだが、港から400mは進んでいるのに標識がないのでスマートフォンの地図を見たら登山口を通りすぎていた。最初の分岐のところを右折するか、嵐口漁民休憩所の横から入っていくかした方が良かったようだ。診療所の横の道を入って少し戻ると裏に嵐口登山口の標識があった。

嵐口登山口からの道は民家の間の細い舗装道。家の軒先に花を咲かせたシンビジウムの鉢が置いてあった。シンビジウムはわりと耐寒性があるけど屋外は温暖なところでないと無理だから御所浦はかなり温暖な場所なのだろう。

途中でコンクリートの道を横切った。嵐口登山口からここまでの道の途中からとここから少し先までは変わっているらしい。ここのルートは砂防工事のため閉鎖していて、迂回ルートが整備された昨年の12/9に再開されたとのこと。ここから先は山道となった。

土の道を上がっていくと看板があって、入山の届けを出すように書いてあった。スマートフォンのQRコードを読み込み、デフォルトにしているDuckDuckGoが立ち上がったけど、画面が真っ白。DuckDuckGoはプライバシー保護が強くかけられているのでダメなのだろうと思って、URLをコピーしてからFirefoxを起動してアドレスバーにペーストして、無事入山の届けを出すことが出来た。

コンクリート道を横切ってから20分程登ったところで暑くなってきたのでフリースを脱いだ。下は古いFoxfireの厚手シャツだし、その下には新しく買った長袖の速乾シャツを着ているのでフリースを脱いでもそれほど寒くは無かった。

フリースを脱いでしまっているときに上から何か物音が聞えて、どうせイノシシだろうと思っていたがやはりイノシシで数分歩いたところで小ぶりなイノシシと遭遇した。古本で手に入れた『熊本百名山』(1998/12/28発行)にもイノシシの事は書かれていた。イノシシが掘り返したであろう跡は歩いている間に何度か見かけた。

途中の景色の無いところはガシガシと歩こうと思っていたが、思っていた以上に斜度が急で汗冷えの防止のために汗をかかない程度に歩くとそれほどスピードは上げられなかった。

上がっていくと道が広くなって、広くなった道をほんの少し歩くと案内図があって、嵐口港が見下ろせた。

案内図のあったところあたりから道は少し緩くなり、最初の案内図から10分弱歩くと次の案内図があった。2番目の案内図の手前からは道はかなり緩い道となった。

2番目の案内図から10分弱歩くと八代海が見えるようになった。八代海が見えてから数分歩くと北側の景色が開けた場所となり、龍ケ岳、念珠岳、倉岳、矢筈岳などが見えた。

北側の景色が開けた場所から10分強歩くと最初のチェーンソーアートのヴィーナス像があった。ここには木に吊るされたブランコもあった。ここは御所浦港方向が開けていた。

ヴィーナス像から5分程度歩くと次のチェーンソーアートのふくろうがあった。さらにふくろうから10分程でイーグル、さらに5分経でタツノオトシゴのチェーンソーアートがあった。

最後のチェーンソーアートのタツノオトシゴから5分程で電波塔の横に出た。看板に寄るとNTT西日本の御所浦無線休憩所とNTT docomoの御所浦南基地局。アンテナの横からは擬木の階段となっており、山頂の展望所が近いことを感じさせた。

アンテナから10分弱歩くと山頂に到着。御所浦港側に少し突き出した展望台があり、そこからは西側は木に隠れ気味ではあるが、それ以外の周囲の景色が開けていた。

国土地理院の地図では烏峠は烏ヶ峠になっているが(『熊本百名山』も同様)、地元では烏峠と呼んでいるとのこと。

気温が5度ちょっとくらいで寒いかったので、山頂で厚手フリースのジャケットを着た。御所浦港までは下りなのでフリースを着たままで大丈夫だろうと思ったが、港までフリースを着たままで丁度良かった。

展望台のすぐ脇にテーブルと椅子として使えるように並べられたと思われる岩があったのでそこでコーヒーとパンで食事。烏峠は駐車場のところにトイレがあるし、御所浦港まで2時間もかからないようなので安心してコーヒーが飲めた。

食事の後に少し景色を見てから下山開始。14時台のフェリーに乗る計画だったが、12時台のフェリーに乗れそう。

烏峠〜第2展望所〜御所浦港

駐車場へ降りる途中に「お休処」と書かれた東屋があり、景色が良さそうなので寄ってみた。獅子島は展望所よりこちらの方からの方が良く見えた。獅子島は隣県の鹿児島県だが、鹿児島県には行ったことがない。あそこが鹿児島県と意識して眺めたのは初めてかも。

駐車場にはアンモナイトと貝化石と書かれた看板があって岩が置かれていた。

駐車場からは八代海が良く見えた。

駐車場から少し下ると上の方に上がっていく階段と第2展望所の方向を示す標識があった。気付かなかったけど駐車場の方から階段があったので駐車場の方から車道を通らずに降りて来れたらしい。展望所があるならと寄ってみることにした。

ほんの少し登ると展望所に到着した。展望所にはベンチと東屋があった。展望所からは八代海が見えた。

先客が1人居て海を眺めていた。少し話をしたが、糸島から来たそうだ。わりと荷物が少なかったからトレイルランナーだったようだ。

第2展望所から5分強降りると遊具などがある草原があった。入口のところに色の褪せた烏峠の案内図があって、それにはアスレチック広場と書かれていた。すぐ近くに「マムシに注意」と書かれた看板があった。マムシおるんかい。嵐口の方の看板に6から10月の利用を控えるように書いてあった原因はこいつだろう。

アスレチック広場から降りていく道の脇に「プテロリゴニア・サカクライを含む砂岩」という看板があって、大きな岩があった。岩は普通の砂岩に見えるが所々に穴が開いていてそういうところに貝の化石がが埋まっていたのだろう。

アスレチック広場から10分弱下ると少し景色が開けて牧島と倉岳、矢筈岳が見えた。林道を下る途中では景色が見られる場所があるだろうと思っていたが、景色が開けていたのはここだけだった。

少し下ると水場があった。でも、ここの水は飲む気にはなれない。

アスレチック広場から15分ほど下ると「頂上まで2.0km」と書かれた道標があった。道標の柱の頭にはアンモナイトが描かれていた。出来たら御所浦港までの距離も書いておいて欲しかった。道標はこの後、3.0km、4.0kmのところにもあった。

アスレチック広場から25分ほど下るとタイルを貼った壁に四角い穴が2つ開いており、穴と穴の間に絵が描いてあって、上の方にマリンビーナスと文字が書かれていた。何だろうなとは思ったもののその時は気にもとめていなかった。後から写真を見返すと下の方に水が貯まるようになっていたようでどうやら水場だったらしい。その時は穴から水が流れている様子は無かったし、水があっても手水にくらいにしか使えそうにないように思われる。マリンビーナスについて、後で調べてみたら、御所浦島と牧島の間の眉島に塔があって、そこにマリンビーナスの像があったそうだ。バブル期まっただ中の1998〜1989年のふるさと創生事業で国が市町村にばらまいた1億円で作られたとのことだが、2022/2/18に撤去されたそうだ。

アスレチック広場から40分程下ったところの道の脇に案内図があった。唐突にここに案内図があるのは少し謎。

道の脇に放置されたかつてのミカン畑らしきものがあって、ミカンが少しだけなっていた。そこからほんの少しで民家が見えてきた。途中に標識があったが降りてきた道は林道 古屋敷線とのこと。

集落の中を歩いているとイルカのえが描かれた仕切弁の蓋があった。マンホールもあるけど、絵が描かれているものはなかった。仕切弁の蓋の黄色い円で描かれたマークが天草市の市章らしく(後で調べたら実際に市章だった)、真ん中にこの市章が小さくかかれたマンホールが少しあっただけだった。

集落の上の方を歩いているときは、こうやってみると海辺の集落とは思えず、普通の山の中の集落に見えるよななどと重いながら歩いていた。だけと見えている山の植生は温暖な土地らしい植生だよなとも思った。そんなことを思いながら5分も歩いたら海が見えてきて、海が見えてからほんの少し歩いたら、あっけなく御所浦港に到着した。下りの車道だし、景色もないのでスタスタと歩いてきたが、烏峠から1.5時間程度で御所浦港に着くとは思わなかった。

コースタイム

トラックログ

11時台のフェリーはもう少し早い時間の出発だと勘違いしていて間に合わなかったなと思ったが、待合所の入口の時刻表を見てみたらギリギリ間に合っていた。乗船券を窓口で買う時にじきにフェリーが来るので桟橋に降りていた方が良いと言われた。どうせ間に合うのは12時台のフェリーだろうと思って、港の物産館で何かみやげを買うるつもりだったけど、早いフェリーに間に合うのならその方が良いと言うことで桟橋の方に急いだ。

桟橋の入口にあるティラノサウルスのオブジェを写真に撮っておこうかと思ったら、バッテリー切れ。電池交換をして撮ろうと思ったが、海の方を見たらフェリーが入港して来ていたので諦めた。

フェリーは偶然にもまた八りゅう丸だった。

御所浦島と牧島をつなぐくぐった後に牧島の方を見たら恐竜のオブジェがあった。後で調べたら牧島のニガキ化石公園という場所にあるらしい。

船は横浦港、与一ヶ浦港に寄港した後に棚底港へ。棚底港へ向かっていっているので倉岳、矢筈岳が良く見えた。外に出られない船なので窓越しの景色なのが少し残念。景色を楽しむならカーフェリーに乗った方が良さそう。

御所浦港のティラノサウルスの写真は撮れなかったが、御所浦港ではシノケラトプスの写真を撮った。

12:10に川棚港区駐車場発。

この日の目的地は烏峠のみの予定だった。最初の計画では御所浦港を14時台発のフェリーで帰ってくる予定が実際には11時台のフェリーに乗ることができて、大幅に早く帰ってくることが出来たので、倉岳駐車場まで車で行って、倉岳にも登ることにした。

倉岳に続く

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