蝶ヶ岳

上高地〜横尾〜蝶ヶ岳〜長壁山〜上高地 2001/7/2-4

6/29(金)

松本までのあずさの自由席回数券が1枚余っている。代休が1日取れるので近いうちに日帰りで長峰山にでも行こうと考えて金券屋であずさの指定席回数券を買ってきた。

7/2(月)

梅雨なのに何故か晴れ続き。今日も快晴。しばらく天気も持ちそうだ。代休+有給1日の2日を使って、どこかに登りに行くことに決めた。久しぶりに夜明けを燕で迎えるのも良いかなとも思ったのだが、調べてみたら、今の時期は穂高〜中房温泉の乗り合いバスの運行は週末のみ。アプローチの交通費があまりかからないところということでターゲットを蝶ヶ岳に決めた。

昼過ぎにみどりの窓口で急行アルプスの指定席をゲットし、早めに仕事を切り上げ、家に帰ってからザックに荷物を詰めた。

ちょっと早めに家を出た。この日はへたっていた靴の中敷きのソルボライトを新しいものに入れ換えたのだが、少し歩いただけで感触がだいぶ違っており、こんなことなら早めに交換すれば良かったと思った。

最寄り駅より常磐線に乗ったのだが、この列車が北千住の手前の橋まで来たら停車してしまった。ひたち野牛久で人身事故とのこと。幸いなことにしばらくしたら動き出して、北千住に到着。中距離列車は運転見合わせだが快速電車は動いているということなのですぐ後に到着した快速で日暮里まで行って、山手線に乗り換え。

急行アルプスは定刻通り新宿を出発。週の頭の平日ということで空いていた。乗った車両には20人も乗客はいなかった。

7/3(火)

急行アルプスは途中の高尾で遅れていた横浜線の待ち合わせでちょっと出発時間が遅れたが順調に松本に到着。松本駅からは常念方面は曇っていて見えなかった。高尾からは4席使って爆睡していたのだが、松本についてもまだ眠い。途中で大半の乗客が降りてしまって、乗った車両には3人しか乗客がいなかった。ちくまとアルプスの松本での到着番線が入れ替わっていた。以前は2番線がアルプス、3番線がちくまだったが、逆になっていた。そういえば、昨年の12/2に改悪されたダイヤはそのままでアルプスの松本到着が4:31のまま。松電上高地線の接続は確か以前は4:25だったが今は4:50。お蔭で上高地に到着する時間が30分強遅くなってしまっている。上高地線の乗客はたったの4人、バスの方の乗客は6人だった。

村営食堂で朝食。バスは6:30ちょっと前に着いたのだが、食堂の営業開始が6:30ということでちょっとだけ待たされた。食事をしつつ、登山届けを書いた。

上高地BT〜明神〜徳沢〜横尾

水を水筒に詰めて、登山届けを出した後に歩き出した。曇りがちではあるが青空が所々に見えていた。河童橋は平日ということもあって人が少なかった。梓川は雪融け水のせいかいつもより水量が多かった。清水川も雪融け水で水温が低いせいか川の近くは気温が低くて肌寒かった。

小梨平のちょっと先でカルガモの親子に出会った。歩き出す時にカメラを取り出すのを忘れていたので慌てて取り出したが、8羽いたヒナの大半は草むらに隠れてしまった。あんまり人間を恐れている様子は無く、人間が来たから一応隠れておくかといった感じ。やはり上高地を歩くときはカメラは常に使える状態にしておかなければダメだ。

この時期の上高地は花はあまり無いようだがそれでもキバナノヤマオダマキ、センジュガンピ、ミヤマカラマツなどが見られた。徳沢の手前ではベニバナイチヤクソウの群落を見ることが出来た。高山蝶がそこかしこで飛び回っていた。

徳沢にもほとんど人はいなかった。だんだん、青空が広がってきて、徳沢の青空を独占状態。ベンチで少し仮眠。どうも眠くて仕方がない。先月、徹夜仕事をした影響をまだ引きずっているようだ。

横尾でも少し仮眠。横尾でも人は少なく10人もいない。大半は槍か涸沢方面に行ってしまうのだろう。高山蝶が手にとまったので思わず写真をパチリ。

横尾〜槍見台〜常念岳分岐〜蝶ヶ岳ヒュッテ

晴れ間も広がってきてはいるが横尾からの登りは樹林帯の中なので日ざしが遮られ、とてもありがたい。靴の中敷きを換えたせいかどうもかかとが靴ずれ気味ではあるが、歩くのにそんなに支障はない。

この日は少し歩いただけで体が熱くなっていつもより余計に休みを取りつつ登った。後で小屋のTVでニュースを見て知ったのだが長野県はこの日はこの夏一番の暑さだったそうで松本の最高気温は34.1度だったそうだ。どうりで体が熱くなるはずだ。

槍見台では残念ながら槍は雲に隠れて見えなかった。

登り始めのところではギンリョウソウ、登りの途中ではたくさんのゴゼンタチバナが咲いていた。タカネスミレも少しあった。コイワカガミもあったのだが、下の方は既に花は終わっており、登るに連れて咲き終わりのものが少しあった程度。

横尾〜分岐間で出会った登山者は降りてきた登山者が2人だけ。登りは終始、空中にただよっているクモの糸がまとわりついてきて、その感触が鬱陶しかった。

いつもなら稜線に出てから分岐のところで一休みするのだが、この日はそのまま蝶ヶ岳ヒュッテを目指した。上高地BTで水筒に入れてきた水を途中で飲んだらちょっと埃っぽい味がしたので飲むのを控え、ここまではウィダーインゼリーを飲んだ程度。普段はその程度しか飲まなくても、のどは渇かないのであるが、この日は普段よりのどが渇いたので蝶ヶ岳ヒュッテの生ビールを目指して、一気に歩いた。稜線は下の方から風が吹き上げてきて気持ちが良かった。槍はほとんど見えているのだが穂先の部分だけが雲に隠れている。下から見た感じでは雪はないかと思っていたのだが、くぼ地に1ヶ所だけ雪が残っていた。

ミヤマキンバイがたくさん咲いており、タカネツメクサも所々にある。小屋のすぐ近くには1株だけだがコマクサが咲いていた。

ヒュッテに着いてみると他に客はおらず1番乗りだった。

ヒュッテでは待望の生ビールは残念ながらまだやっておらず(聞いたら梅雨明けくらいからだそうだ)缶ビールを買って、外で飲んだ。穂高や槍の上の方は雲がかかっているものの、青空が広がり気持ちが良かった。しばらく小屋の前のベンチで昼寝。ふと、眼が覚めるとちょっと雲がかかって来て、肌寒かったのでその後は小屋の中に入って寝た。

この日の蝶ヶ岳ヒュッテの宿泊者は8人。食事は食堂ではなく、受付前のパブリックスペースでだった。

夕食後に山頂に行っていないのを思いだし、山頂まで往復。

コースタイム

7/4(水)

夜明け前に眼が覚めたが、曇りがちだったのでそのまま2度寝。食事の時間にあわせてのんびりと朝食を取った。

今日は平日なのでラッシュが始まる前に家に着きたいから、できれば10:35のバスに乗りたいが、11:12に上高地を発車するバスに乗れればいいだろうと思っていたのであまり急ぐ必要はない。

蝶ヶ岳ヒュッテ〜長壁山〜徳沢

起きたときにはかかっていた山々の頂の雲もなくなったのでしばらく眺めた後、ヒュッテを出発。

横尾経由の方が早くバスターミナルまで着けるのでそちらを降りようかとも思ったが、予定していた通り長壁山経由で降りた。こちらの道を通ったことで横尾からの登りでは見ることがなかったナナカマド、ショウジョウバカマ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンチドリ、キヌガサソウなどの花を見ることが出来たので結果的にこっちの道を選択して正解。

くぼ地に1ヶ所雪がたくさん残っていた他に樹林の中に入ると所々脇に雪が残っているところがあった。その雪が融けて湿ったところが多いせいか小さい虫がたくさん飛んでいて、腕や首筋に止まるのには閉口した。この虫も降りるに従い少なくなり、尾根筋を風が吹き渡って、体を冷やしてくれたのはありがたかった。

下りであった登山者は登ってきた登山者2人のみ。今日も山小屋はすいているだろう。

徳沢〜明神〜上高地BT

徳沢では生ビールを飲むという誘惑にかられたがバスに乗っている間にトイレに行きたくなっても困るので、缶入り飲料で済ませた。

急げば10:35のバスに間に合いそうなので徳沢からサクサク歩いた。

体がどうも水を欲しがっているようなので明神でも缶入り飲料を買って飲んだ。

所々に動物の糞が落ちており、そこに高山蝶が群がっている。動物の糞も蝶にとっては貴重なミネラル源。横尾では高山蝶が手にとまってきたが、蝶にとっては私も動物の糞と同じミネラル源。よく考えるとあの蝶は私の手にとまる前に動物の糞にとまっていたかもしれない。そう考えるとちょっとイヤな気分になった。落ちている動物の糞は緑色で草食の動物の糞のようなのが少しは救いではあるが。

ビジターセンターの手前で前から来るねーちゃんが携帯電話で話しつつ歩いているのを目撃。どこにアンテナを立てたのか知らないが、小梨平あたりまでは通話圏内だそうだ。でも、こういうところで携帯電話で話しながら歩いているのはアホだと思う。

河童橋の手前でケショウヤナギのものらしい綿毛をまとった種子がふわふわただよっているのに気付いた。ほんの少ししかただよっていないが、もうすこしたてば、綿毛が日ざしにきらきら輝きつつたくさんただよっているという幻想的な風景を見ることが出来る季節が来る。

河童橋からの穂高は頂上まで見えるもののバックに雲を背負っておりイマイチ。やはりバックは青空であって欲しい。

バスターミナルの2Fで家に帰ってからコーヒーを淹れるのに使うための水を水筒につめた。2Fから見るとインフォーメーションセンターはまだ基礎のコンクリート打ちが終わっているだけだが、これで年内に完成するのだろうか?

コースタイム

出札窓口で整理券をもらいバスに乗り込んだ。この時間はいつでもそうだが、バスはガラガラ。

上高地線の電車から見る常念方面はきれいに晴れわたり山がはっきり見えていた。登りに行きたい欲求には駆られるが出発前に2日間の予定と言って出てきているので後ろ髪を引かれる思いで電車から景色を眺めた。

新島々ではそんなに暑いとは感じなかったが松本まで来ると目茶苦茶暑い。この日は昨日より暑い日になったのではなかろうか。

とりあえず、いつも通り駅ビルの本屋で本を買った。ここでは『信州 花の達人になれる本』(近田信敬/プラルト/ISBN4-939043-17-7 C0072)という本を買ったのだがこれは信州の花の見どころを紹介した本。この手の本は何社か出しているところがあるが、どれもイマイチで買っていない。この本の著者は知る人ぞ知る『白馬の達人になれる本』の著者でさすがに押さえるべきところは押さえてあった。一緒に雑誌やらなんやらいろいろ買ったので福引き券を1回分もらえて福引きをやったが、必ずもらえるティッシュをもらった。

蕎麦と馬刺の昼食を取った後、パルコの本屋まで本を買いに行った。パルコのあたりも再開発でだいぶ雰囲気が変わっている。その後、いつも松本に来ると寄る酒屋さんで「舞姫 翠露」と「夜明け前 霧訪」を買った。翠露は以前、酒蔵で試飲させてもらっておいしかった酒。霧訪はおそらく塩尻市の霧訪山から名前をとった酒だと思うが、この霧訪山はちょっと前から行ってみたいと思っている山で、ついつい買ってしまった。

再び、駅ビルに戻って、1Fの酒屋で車中で飲む缶ビールを買い、改札前のキオスクで生のブルーベリーを売っていたのでこれと雑誌などを買ってからホームに向かった。

出発の25分前くらいなので電車は来ているだろうと思っていたのだが、まだ入線してなかった。ホームは無茶苦茶暑くて耐えられずに買ってきた缶ビールを思わず空けてしまった。ふと見ると、0番線の向こうの線路にこの秋以降投入されるという新型あずさが止まっていた。以前に写真では見ていたが、その時に感じたのと同じでやはり新特急みたいで格好が悪い。そうこうしているうちに電車(13:54発スーパーあずさ8号)が来たので車中の人となり新宿へ。新宿に着いたらこちらも暑くてぐったりしつつ家路についた。

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