蝶ヶ岳

上高地〜横尾〜蝶ヶ岳〜横尾〜徳沢〜明神〜徳本峠〜上高地 2000/11/9-12

11/9(木)

上高地までは大抵は急行アルプス+松電上高地線+松電バスのパターンが多いが、今回は急行アルプスに接続する松電上高地線の早朝の時間帯の電車が今シーズンはすでに運行を休止しているため、バスを利用。東京都庁の駐車場より松電のさわやか信州号で出発。ただし、何故か松電のバスでなく丸子観光というところのバス。一応、長野ナンバーだったけど。平日のため乗客は少なく全部で18名。そのため、バスの席は自由席。途中、談合坂と諏訪のおぎのやドライブインでトイレ休憩。バスが高速を降りるときに目を覚ましたが、寝ぼけまなこで河口湖1,800という数字を見たような気がするので多分、甲府昭和で降りたのだろう。

11/10(金)

予定通り6:00に上高地BTに着けそうだと思っていたのに、釜トンネルの信号の前でいきなり足止め。重機が上がっている最中で足止めということで青信号を2回ほど見送らされた。釜トンネルの出口でショベルカーを下ろしているトラックがいた。定期バスが通る時間にそんなもの運ぶな!!

上高地BT〜明神〜徳沢〜横尾

とりあえず、登山届けを出し、朝食。今回は仕事疲れがたまっていて上まで登るかかなり悩んだ。ひげをそっているときに剃刀で切ってしまった傷が1週間たってもなおらないことから体自体がかなり疲れているようだ。とりあえず行けるところまで行くことにして、登山届けの目的地は蝶ヶ岳にした。

気温はかなり暖かい。天気は曇りがちではあるものの青空も見えていた。河童橋からは岳沢ヒュッテが良く見えた。天気予報によると12時くらいから晴れるようだ。

木々はすっかり葉を落としている。一足毎に落ち葉の香りが立ち上ってくる。今日は行程が長いので先を急ぎつつ歩いていると明神の手前でキツツキの鳴き声がした。足を止めるとキツツキが木々の間を渡り歩きつつ幹を突いていた。明神の先ではリスも見かけた。やはり人のあまりいない季節は動物に会いやすい。

徳沢で今晩泊まる徳沢ロッヂに寄って登るのに必要ない荷物を置いていった。いつもなら全部担いでいくところだが体が疲れ気味なのでちょっと弱気。徳沢園は既に閉まっていた。テン場の水道も水が出ない状態だった。

横尾には新しいトイレが出来ていた。このトイレは8月に来たときは無かった。新しいトイレは料金箱が設置してあって、協力金をいれるようになっていた。このトイレも横尾についてしばらくすると横尾山荘のスタッフと思われる人たちが閉鎖する準備を進めていた。横尾山荘もすでに閉まっていた。横尾も徳沢同様水は汲めない状態だった。

結局、ここまでは明神の手前で観光客風の2人連れ(おそらく同じバスに乗っていた人)とジョギングをしていたどこかの宿泊施設のアルバイトと思われる青年と横尾山荘付近で作業をしていた横尾山荘のスタッフにしか会わなかった。

横尾〜槍見台〜常念岳分岐〜蝶ヶ岳ヒュッテ

槍見台につく頃には青空の面積が少なくなっており、登るにつれだんだん曇ってきた。落ち葉が一面に落ちていて、踏み締めながら歩く状態だが、梓川沿いの道の時と違って、香りがしない。ここの落ち葉はダケカンバが主なせいだろうか?

10:40頃には1mm程度の雪の粒がほんの少しだけだがパラパラと降ってきた。それ以降は登るに従い、だんだん天気は回復していき、稜線に出る頃には時折日が差すようになった。

風があって少し寒かった。稜線上に雪はまったくなかった。槍・穂高にもわずかについている程度。蝶ヶ岳ヒュッテに近づくにつれ青空が広がってきた。

蝶ヶ岳ヒュッテ〜常念岳分岐〜槍見台〜横尾

山頂を往復した後に昼食。持ってきたウィスキーを一口二口啜った。

瞑想の丘からの360度パノラマ
(クリックで拡大、マウスでスクロール)

晴れてきたし展望も素晴らしかったのでもっとゆっくりしていたかったが、風が寒いのと16時くらいまでに徳沢に戻っていたかったので昼食後すぐに下山を開始。とは言え名残惜しいので分岐を少し下った樹林帯に入る手前で少し座って山々を眺めた。

槍見台で写真を撮っている人がいた。結局、横尾〜蝶ヶ岳の往復であったのはこの一人だけ。

横尾〜徳沢

横尾からはゆっくり歩いて戻った。途中で猿に遭遇。予定通り16時に徳沢ロッヂに到着。この日の宿泊者は他に1名のみ。おかげで、風呂などは貸し切り状態。その人は二ノ俣橋の掛け替え工事をやっている人でこの日に橋が完成したそうだ。橋自体は1日もあれば出来るそうだが、土台などの工事が大変で水の中に入っての作業で風邪をひいてしまったそうだ。この人は本谷橋の掛け替え工事もやったとのこと。

この日の夕食には山の中にもかかわらず刺身が出た。そういえば、晩秋の上高地フェアということで各宿泊施設で特別料理が出るようなことが上高地観光アソシエーションのページに書いてあったがこれがそうらしい。食後はすぐに部屋に戻って朝まで爆睡。

コースタイム

11/11(土)

起きてみると天気が悪かった。屋根からはぽたぽたと雨の雫が落ちていた。山の方を見ると雲の合間から白く雪がついているのが見えた。山の上は雪が積もったようだ。

もう一人の宿泊者の人の話によると昨夜は風が強かったそうだ。徳沢は気流の通り道になっていていつも3時ごろに風が吹くということだ。昨日の夕食に続いて、この日の朝食もいつもより良かった。ぐっすり眠ったので体調が完全に復調した。

徳沢〜分岐〜徳本峠

朝食後にコーヒーを飲んでから出発。この日の宿は河童橋のすぐそばなので遅く出発しても別に問題はない。出発の頃には雨は上がって青空が見え出した。ぐっすり寝たので体は完全に復調していた。この日は岳沢に登るつもりだったが山に雪がついたので新雪の穂高の景色を眺めたくて徳本峠に予定を変更することにした。

空気はかなり湿っぽい。ふと梓川の下流側を見ると虹まで出ていた。気温が低いので湿度が高いことはあまり気にならない。湿った落ち葉がよい香りを放っている。どうも香りのもとはケショウヤナギの落ち葉のようだ。

徳本峠の分岐までは明神の方から歩いてきた人ひとりにしか会わなかった。分岐からの林道の終点近くで許可車が一台やって来た。林道終点のすぐ脇に車を止めていた。どうも徳本峠小屋の関係者のようだ。この後の徳本峠の登りは途中でひとり追い抜いて、先行している登山者を一人見かけたのみ。思ったより人はいない。

徳本峠〜明神〜嘉門次小屋

登り始めのときからそうだったが、穂高は雲の中。安曇野側はガスっていたためこちら側の展望もない。山の下の方から冷たい風が吹き上げてくることもあり、早々に下山を開始。徳本峠は手軽に登れるためか14人とすれ違った。明神の分岐に近いところでにリスにも会った。

嘉門次小屋〜上高地BT

嘉門次小屋で岩魚の塩焼きを肴に熱燗を飲んだ。少し酔い気味で河童橋に向かった。いつもなら、そんなに酔わないのに。自分では感じないが少し体の疲れが残っているようだ。

郵便局が開いていたら長野県版の絵入りの年賀葉書を買いたかったのだが、開いていなかった。どうやら開局していたのは先週までだったようだ。

松本までの切符を買い、明日の朝イチのバスの整理券をもらって、しばらく河童橋のそばの河原でのんびりした。晴れてはいるが穂高の上の方は雲の中でたまに雲が切れる程度。

上高地BT〜田代池〜大正池〜上高地アルペンホテル

体が冷えたので五千尺ホテルでコーヒーとケーキで休憩。ここのケーキはとてもうまい。体を温めた後はとりあえずのんびりと大正池まで往復。仙丈沢はさらに土砂が堆積したようだ。大正池の立ち枯れの木もかなり減っている。5m以上の立ち枯れの木を数えてみたら12本しか無かった。

大正池往復のあとは宿にチェックインした。

宿にチェックイン後、すぐに風呂で汗を流した。来月のスノーハイクの宿の予約をしなければならないことを思いだし、電話で予約を入れた。夕方まで新聞などを読んでのんびりした。ふと外を見ると山が赤く染まっていた。慌てて河童橋のたもとまで行って、写真を撮った。

コースタイム

11/12(日)

朝、起きると曇っていた。今日は帰るだけなのでゆっくり朝食を食べて、のんびりと宿を出た。宿を出る頃はかなり青空が広がってきた。しばらくは河童橋のそばの河原で穂高を眺めた。穂高は雲がどんどん流れてきて、時々てっぺんが顔を出す程度。

ビジターセンターのレクチャールームで記録映画やビデオを見て時間を潰した。バスの本数が減っているため、朝イチのバスは10:35発。

松本では少し買い物をしたかったのでみどりの窓口で指定席を確保して、そのあと駅ビルのCD屋へ。11日発売のエンヤのニューアルバムを買った。最近、忙しくて行けるときに行っておかないといつCD屋に行けるかわからないので出先ではあるがCD屋に行った。そのあとは本屋に行って『上高地線の80年』と『安曇野一日の花歩き野歩き』という本を買った。前者は発売当時に7,500円という値段ゆえに買うのをあきらめた本なのだが、徳沢ロッヂに置いてあるこの本を見て買う気になった。過去の写真を見ているとその場所が現在にもその面影を残していてなかなか興味深い。現在の写真も多少あるがこれなどは何年もたった後に記憶から消えてしまうだろうが、本を買っておけば将来以前の上高地線はこうだったと思い出せるだろう。後者は私のかなりお気に入りの『星の降る里』という写真集の作者が書いた本。講談社の本なのでどこでも買えるのだが最近は忙しくて本屋に行く機会が減っており、今回買わないと買わないままに忘れてしまいそうなので買うことにした。

駅ビルを出て、年賀状を買いにコンビニへ。無事、地方版の絵入りの年賀葉書を手に入れた。これは来月のスノーハイクまでに書き上げて、松本で投函する予定(2001年の記念押印があるそうだ)。

その後にいつものごとく、蕎麦屋で蕎麦と馬刺で昼食。その後はこれまたいつものごとく酒屋に寄り、地酒を買った。季節柄、ひやおろしが入手できた。

この後は14:09発の臨時のあずさ92号で帰途に着いた。

TOP