山岳救助隊 紫門一鬼

山岳救助隊 紫門一鬼とは

梓林太郎原作、高嶋政宏主演のドラマで関東ではテレビ東京で水曜日にドラマ枠でたまにやっている。シリアスなドラマのはずだが、山ノボラーや土地勘のある人には突っ込みどころ満載の爆笑ドラマ。

架空の地名、場所ということで説明付けすればよいところもあるが、ぜーーーーーーったいに変というところもかなりある。

ではでは、突っ込みを入れてみようか。

(1) 北アルプス穂高連峰殺人事件

  • 岩場で救難作業を行う救助隊員。ザックを降ろした方が動きやすいんじゃない。
  • 季節は秋のようだが、雪が降るまではまだまだありそうなのにザックにはピッケルがくくりつけられていたりする。
  • 涸沢をベースとした民間の山岳救助隊と言っている割には何故か彼らのいる建物は尾根筋にあったりする。しかも結構広い露天風呂付き。いつから涸沢に露天風呂が出来たのだろう。
  • 彼らの常駐している建物はその外観から想像できない程内部が広い。SFの世界で語られる技術を実現しているに違いない。八方尾根のトイレがあんな感じだったような気がする。八方はあんまり行ったことないから明言はできないけど。今度行く機会があったら確かめてこよう。内部は山小屋の作り。旧栂池ヒュッテかも。ここはとまったことないから明言できないけど。
  • 遭難発生の知らせを受け、穂高北署と称するところに関係者に会うために向かう彼ら。何故か涸沢から徒歩のみで向かったようだ。
  • 焼岳ヒュッテに行くと言っていたわりには旧栂池ヒュッテにいたりする。
  • 梓川右岸を川上に向かい、明神橋をわたったシーンがあったわりには最後についたのは大正池。途中、涸沢に何かとりにいったのか?
  • 穂高を「ホダカ」と発音する彼ら。聞いていて非常に気持ち悪い。警察署も「ホダカキタショ」だし。岐阜側では「ホダカ」ともいうらしいが、穂高北署は長野県警ということになっているので絶対に「ホダカ」とは発音しないだろう。
  • 紫門のザックにはコップがくくりつけられている。彼は素人のハイカーか。
  • 遭難者の追悼でキャンプファイヤーを囲む関係者。国立公園内でキャンプファイヤーはないだろう。
  • 山のなかなのにキバナコスモス、コスモスが咲いている。どうやら最近は涸沢近辺にこれらの花が咲いているところがあるらしい。実際に画面に写っているのは栂池自然園だが、ここにも当然そんな花は咲いているはずがない。
  • 事件の真相に迫るために東京に向かう紫門。電車に乗ったのは穂高駅。涸沢から山を越えてわざわざ穂高に下山したらしい。
  • アイゼンに仕組まれたトリックを実証するために雪渓を歩く紫門。アイゼンの爪が折れて滑落するが、滑落防止姿勢もまともにとれない。緩い雪渓で良かったね。

(2) 北アルプス白馬連峰殺人山行

今度は殺人山行だ。殺人鬼が山行の途中でピッケルで登山者を殺しまくるような印象を受けてしまうがそういうわけでもなかった。

  • 今度は白馬だ。涸沢がベースのわりに白馬までカバーしているわけだ。
  • 今回も穂高北署だ。ここも管轄広いねぇ。
  • 涸沢の露天風呂が男女別露天風呂だと判明。
  • 今回の舞台は夏。東京のシーンではセミが鳴いていた。でも、あいかわらず、ザックにはピッケル。ザックにコップは一応やめたらしい。
  • 八方池でハーモニカを吹いている紫門。でも、次のシーンでは栂池に降りてきていた。足が速いねぇ。
  • 前回は焼岳小屋として登場した旧栂池ヒュッテだが、今回は小岩岳ヒュッテと名称で登場。
  • 白馬で遭難。涸沢から出動(だって彼らのいた建物は前回とおなじだもん)。なぜか、大出の吊橋を歩いているシーンがある。ずーっと歩いてきたんか?
  • 長野県警の不祥事発見。民間人(紫門)に捜査資料見せちゃってるし。
  • 殺された山小屋の管理人の関係者は何故かみんな山ノボラーの格好でやって来る。こいつは絶対山道具持っていないだろうという人物まで。
  • 遺族が遺骨を抱えて電車に乗ったのは穂高駅。最近は白馬方面に行くには穂高駅が便利らしい。
  • 穂高で松本行きの電車に乗ったはずなのに電車が山間の鉄橋を通るシーンがある。大糸線っていつからルートが変わったんだ?
  • ヒュッテのそばには湿原あり、尾根ありでかなりすごい地形らしい。
  • 殺人の告白シーン。次々バックが変わる。ヒュッテのそばに居るはずなのに屏風岩、湖(たぶん仁科三湖のどれか)、沢、堰堤から落ちる滝状の水(多分、猿倉〜白馬尻の途中にあるやつ)、そして最後には大出の吊橋。はじめは心象風景かと思ったけど、最後には大出の吊橋に警察がやってきて(しかも車で)逮捕してたし。
  • 自分の欲望の為に殺人を犯した犯人に人の生命をなんだと思っているんだと憤る紫門。思わず、体を抱えて吊橋から落としそうになる。犯人の生命も一応人の生命なんですけど。

(3)北アルプス雪山殺人迷路

今度は雪山です。滑落防止姿勢がまともに取れない紫門ちゃんが心配だったけど、滑落するようなところは無かったです。

  • レインウェアを着てピッケルを持った、ヘロヘロの2人の遭難者。ピッケル持ってるのに防寒服がレインウェアってことはないだろう。後で、この時期なら軽装で大丈夫ということで軽装であることの説明をしてたけど、それならピッケルもいらないじゃん。
  • ガスがかかった林の中を歩く遭難者。林にある雪は何故か布切れだ。
  • 初冬の設定らしいんだけど、雪はどう見ても残雪だったりして。
  • 遭難者(実は騙されて遭難)のコースが龍神湖〜奥白沢〜下白岳〜白馬三山〜白馬尻ヒュッテだそうだ。白馬尻ヒュッテというのは実在しないけど、白馬三山歩いての下山だから、やっぱ実在の白馬尻までだよなぁ。軽装で歩くコースじゃないよなぁ。
  • 遭難の知らせを受けて救助隊出動。またもや移動は歩きだけ。
  • 救助隊員の必須アイテムのピッケル。と思ったら、ひとりだけストック使っているやつがいた。民間の救助隊だから貧乏で買えないのだろう。移動も常に歩きだし。
  • 遭難者が見つからないうちにビバーク。ビバークしてまで遭難者を探すコースじゃないだろう。
  • ビバーク中に焚火。お前ら、場所をわきまえろよ。
  • ビバーク地に現れた遭難者のひとり。すごい偶然だね。
  • 結局死んでしまった遭難者。雪の上にケルンを積んでたけど。その石はどこから持ってきたんだ? 雪を掘ってか?
  • 遭難が仕組まれたものという疑いが出て、遭難者のコースをたどる救助隊員。何故かボートで川下りのシーンがあったりする。そんなコースがあるのか?
  • 遺骨を持って電車にのる遺族。乗ったのは穂高駅。やはり最近の白馬の最寄り駅は穂高駅なのか。ふと思ったが、現地で荼毘にふすのかなぁ。
  • ハクバを連発。でも、「(2) 北アルプス白馬連峰殺人山行」では「しろうま」と言っていたような。「はくば」という村はあっても山はないんだけどねぇ。紫門が山男という設定なんだから「しろうま」と呼ばないのは不自然。もしかして、なんちゃって山男?
  • またもや、穂高北署が扱ってるよ。北安曇郡、南安曇郡って警察署は穂高北署だけか? もっとも穂高北署なんて実在しないけど。
  • 遭難者は道標の向きを変えられて、コースミスしていた。山岳会所属のくせにそんなことでコースミスするか? 地図は持ってないのか? しょせん、レインウェア姿でピッケル持っている奴らだからしょうがないか。
  • 猿倉荘が上八方山荘という名前で登場。シリーズ通してロケはほとんど白馬近辺でしかやっていないようだ。
  • 上八方山荘は3/4にも営業していた。北アルプスの山小屋が冬にも営業していると思われてしまうではないか。もっとも八方池山荘とか西穂山荘なら通年営業しているけど。
  • 雪の上の足跡から取った型と実際の靴底を照合して、犯人特定。雪の上の足跡から照合に使えるほど鮮明な足型が取れるのだろうか?

(6)白馬乗鞍岳の殺意

今回はあんまり突っ込みどころがなくてつまらん。

  • 今回は山岳救助隊の本部が涸沢ではなかった。
  • 救助隊で犬連れてるし。救助犬のつもりか? 北アルプスに犬連れて上がるんじゃねぇ。
  • 今回の警察署は白馬北署だ。南署とかもあるのか? 白馬村ってそんなに広くないからないだろうねぇ。
  • 白馬乗鞍山頂と称するところはどう見ても八方尾根。後ろに岩岳のスキー場が見えるし。
  • 白馬乗鞍岳に何度も登っているという設定の人物が下山で道を間違えるかねぇ。それより、誰も地図もってないのか。
  • ザックにピッケルは健在。9月って設定なのにねぇ。
  • 紫門の実家が白馬村青鬼地区と判明。
  • 白馬乗鞍岳に登るのに何故かクワッドリフトが出てくるし。やっぱこれも八方だねぇ。そう言えば八方の109も映ってた。ゴンドラのっているシーンも出てたけど、これも八方か?
  • 殺人を自供した人物が何故か釈放されてるし。

(7)白馬大雪渓・殺意の罠

  • 八方の自然観察路で遭難した登山者を背負って、降りてきたところが何故か猿倉。
  • ザックにピッケルはまだ健在だ。でも、八方から遭難者を猿倉に下ろしているからピッケルっがあってもいいか。
  • 今回の警察署も白馬北署だ。窓から八方のジャンプ台が見えるのどかな場所で、白馬村除雪基地の隣だ。
  • 猿倉荘が岩岳小屋という名称で登場。以前は上八方山荘だったよねぇ。
  • 大雪溪でザイルを張ってあるところなんて無いだろう。もっとも、最近大雪溪行っていないから、最近ではあるのかもしれないが。
  • 大雪溪にしては傾斜が急だ。
  • 葬式に平服で現れる非常識な紫門。
  • 犯人は被害者を雪渓の上に偽のベンガラの跡を付けて導いたという設定もすごすぎる。もともとあったベンガラの跡を消すだけで大変だ。それに大雪溪で特定の人間を殺すなんてことは不可能に近いだろう。あんな登山者が多い山域で。
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